小児科メンタルヘルス
小児科メンタルヘルス
「子どもの行動発達と心身症の専門外来」です。
初診年齢は中学生まで、予約制とさせていただいています。高校生以上の初診は受け付けていません。
担当医
担当医氏名
渡部泰弘
所属学会・専門医、認定医
日本小児科学会(小児科専門医)・日本小児心身医学会(評議員・学会認定医)・日本小児精神神経学会(評議員・学会認定医)・日本児童青年精神医学会・日本ブリーフサイコセラピー学会・日本子どものこころ専門医機構(専門医)
略歴
平成5年
秋田大学医学部卒、秋田大学医学部小児科医局へ入局。一般小児科研修、大学院での研究を経て
平成11年
公立角館病院で小児科一般臨床に携わる一方、「心理社会的な配慮が必要な子」の予約診察枠を開設する
平成14年から平成15年
旧・都立梅ヶ丘病院精神科(現・都立小児総合医療センター精神科)、及び平成15年横浜市立大学小児精神神経科(現・児童精神科)でそれぞれ1年間の児童精神科研修を受ける。
平成16年
秋田大学小児科で「メンタルヘルス外来」を開設
平成22年
現職
診療のご案内
何歳まで診てくれますか?
初診は中学生までです。高校生以上はお受けしておりません。
継続している子も「高校1年の終わりまで」を原則としており、受診の継続が必要な場合は大人の診療科に紹介しています。これは
- 小児科医なので大人の年齢で起こる問題を扱う専門性を持たない事
- ずっと長く診る子が増えると、新しい子を診る時間が取れなくなる事(一方、高校生年代なら大人の診療科でも対応してくれる事が多いので、私自身は大人の診療科が診ない年代の子を診る役割がある)
という2つの理由によります。
入院も診てくれますか?
申し訳ありません、メンタルヘルス外来の子を療育センターの病棟で入院治療する事はしていません。これはあくまで療育センターの病棟の仕組み(「具合の悪い子が入院・治療して元気になって帰るための場所」のではなく「障害を持つ子の生活の場所」であること)と、私自身の診療の体制・都合によるものです。
予約制ですか?
そうです。受診希望の場合、まずは予約担当に親御さんから直接電話して下さい。
その内容を受けて「メンタルヘルス外来で診るべき子かどうか」も事前に判断し、必要に応じて予約担当から折り返し親御さんに伺う事があります。
ただ、体の症状が心配な場合は、かかりつけの先生・または総合病院の小児科を受診して、必要な検査などを受けた上で「メンタルヘルス外来で診てもらうほうがいい」という判断の上で、紹介状を書いてもらってください。メンタルヘルス外来では、体の病気を中心に診る事はしていません。体の症状の陰に体の病気が隠れていないかどうかの確認を優先して下さい。
わざわざ「メンタルヘルス外来の紹介状をもらうために他のお医者さんを受診する」必要はありません。
状況が分からなければ「受診を希望していますのでよろしくお願いします」という内容だけになってしまうので、もらってもあまり役に立ちません。
どんな子を診るの?
- 体の症状があって病院で検査をしたけれど特別な異常が無く、でも症状が続いて困っている・心配な子(いわゆる「心身症」と言われる状態も含みます)
例:繰り返す痛み、疲労感が強い、など - 行動上の問題で困っている・心配な子
例:不登校・登校渋り、人との関わりが苦手、興奮・かんしゃく・暴力、落ち着きがない、忘れ物がひどい、不安・緊張・恐怖が強い、こだわりが強いなど- 幻覚(無いものが見えたり聞こえたりする状態)・妄想(現実ではない事を信じ込んでしまう状態)などの場合は、当センター内では児童精神科外来へ、または他の医療機関の精神科への受診をお勧めします。
- 乳幼児健診で言葉が遅い・発達が遅い事を気付かれて心配な場合は、当センターの(メンタルヘルス外来ではない)小児科への受診をお勧めします。秋田市近郊以外の場合は、その地域ごとに紹介先などがある程度決まっている所もあると思いますから、健診を受けた機関にも問い合わせてみてください。
- 「食事を摂らずにどんどん痩せていく」というような「拒食症を疑う症状」の場合は入院治療が必要な場合が大半で、私は病棟の仕事をほとんどしていない事、また緊急の対応が必要な場合が多いことから、メンタルヘルス外来での治療は勧めません。総合病院の小児科への受診・相談を勧めます。
どうやって予約したらいいですか?
予約専用電話に「小児科・メンタルヘルス外来の初診予約希望」とご連絡下さい。お電話は親御さんからお願いします。
予約確定すれば、その連絡と一緒に、事前にお家や学校・保育園(幼稚園)で書いて頂くものもお送りします。これは「子どもの状態を判断するのに必要な情報」を、お家だけではなく学校や園からも頂くためです。それらを準備して当日お持ち下さい。
電話:018-826-8029(予約専用)
- 必ず電話予約をお願いします。再診の方も全て予約制にしていますので、予約無しで直接来院された場合は紹介状があってもその日に診察はできません。
- 初診予約から診察までの待機期間は2か月から3か月程度になる事が多いです。親御さんや学校から「何とか早く診てもらえないか」というご相談を時折受ける事がありますが、初診待機している子たちの多くが興奮かんしゃく・暴力・多動衝動性などの行動の問題を抱えており、予約の方を飛び越えて診る事は基本的にありません。
- 他県で通院していて転居のため紹介され、お薬が無くなってしまう患者さんなどは対応します(それでも、恐らく時間を調整して数日から1週間のうちにという事になります。電話頂いたその日に必ず診察出来るというわけではありません)ので、外来窓口でご相談下さい。
- 特に緊急性のある患者さんは、主治医の先生から直接ご連絡を頂ければ可能な範囲で対応します。
いつやっていますか?
外来予定は以下の通りです。
曜日 | 午前 | 午後 |
---|---|---|
月曜日 | 初診 再診:9時00分から3人 | 再診:13時00分から8人 |
火曜日 | 由利本荘市道川・あきた病院 | 由利本荘市道川・あきた病院 |
水曜日 | 外来無し(他の業務) | 再診:13時00分から10人 |
木曜日 | 初診 再診:9時00分から3人 | (外部の仕事・臨時予約枠:主に初診後2回目用) |
金曜日 | 初診 再診:9時00分から3人 | 再診:13時00分から10人 |
初診は1時間、再診は20分の枠にしています。
祝日や学会出張などがあると、木曜日午後も普通の再診とすることがあります。
メンタルヘルス外来の特色はありますか?
「学校連携」を重要視しています。
特に行動の上での心配事や対人関係の心配事は、外来で会うご本人への治療や親御さんとの相談だけで改善するものではありません。学校や園の先生方と対応の工夫を相談する事・先生方にご本人の特徴を理解してもらう事がとても重要です。ですから、ご了解を頂いた上で学校や園にご連絡し、連携をしながら関わっています。(要するに自分じゃ出来ないことを他の人にお願いしているだけです)
「解決志向」の考え方を中心に患者さんと関わっています。
「解決志向」とは「問題や原因に焦点をあてず、解決や未来の状態に焦点をあてる心理療法」の事です。「え、原因調べなくて大丈夫?」と思うかも知れませんが、もちろん必要な検査があればしますのでご心配なく。ただ、困っていることに対して「あなたはここがマズイねぇ、これが問題だね、うまく行かない原因だね、どうやってこれを治そうか」と問題を探し出すのではなく、「もうちょっとうまく行ったらどうなると思う? うまく行った時があったんじゃないの? ほら、こんな事がちゃんと出来てるじゃないの、あなたすごいじゃん!」というふうに、いい事・うまく行った事を見つけていこうよ、と意識しています。
出来るだけ本人と相談する事を目標にしています。
「よく分かんないけど連れて来られた」ではなく、その子の年齢に合わせて、困った事を相談出来るようになって欲しいと思っています。
主に由利本荘・にかほの皆様へ
由利本荘市岩城の国立病院機構あきた病院でも、同じ担当医が同じ内容で毎週火曜日にメンタルヘルス外来を行っています。対象などは同じですが、電話(病院代表:0184-73-2002)で外来看護師長を呼び出して予約して下さい。